設備保全に役立つセンサの種類と選び方とは?設備費不要のサービスも紹介
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設備の故障を未然に防ぎ、生産ラインをやめないために欠かせないのが「センサ」による状態監視です。近年では、異常の予兆を自動で検知し、メンテナンスを効率化する状態基準保全(CBM)が注目されています。
ただし、温度・振動・圧力など用途ごとにセンサの種類は多岐にわたり、どれを選べば良いのか迷う人も多いのが実情です。センサを導入するには、初期費用がかかるため、慎重に選ばなければなりません。
本記事では、設備保全に役立つ主要なセンサの種類や特徴、選び方のポイントを分かりやすく解説します。初期費用を抑えてセンサを導入できるサービスも紹介しているため、実践的な導入の参考にして下さい。
そもそもセンサとは?設備保全での役割

センサは設備の状態を「見える化」するために欠かせないツールです。まず、センサの基本的な仕組みや機能を確認しながら、設備保全にとって重要な理由を見ていきましょう。
センサの基本的な仕組みと機能
センサとは温度、圧力、振動、光といった物理現象を検知し、電気信号等に変換して出力する装置です。人間の五感に例えるなら、目や耳のように外部の情報を感じ取り、脳(制御装置)に伝えるのがセンサといえます。
センサから出力された電気信号は、モニタリング装置や制御システムに送られます。モニタリング装置の役割は、設備の状態を数値やグラフで可視化することです。制御システムでは受け取った信号の内容に基づき、運転条件を自動的に調整したり、必要に応じて設備を停止したりします。
設備や機械の「見える化」と「自動制御」を支える要素技術として、センサは現代の製造現場に不可欠な存在といえます。
設備保全にセンサが必要な理由
設備保全にセンサが必要とされる理由のひとつは、故障の予兆を早期に発見できることです。センサは、人が感じ取れないわずかな変化も見逃しません。設備が完全に停止する前にリスクを検知することで、計画的なメンテナンスが可能になり、突発的な設備停止による生産ラインへの影響を最小限に抑えられます。
また、センサの導入は省人化にもつながります。センサは24時間365日自動で監視できるので、人的リソースをより価値の高い業務に振り分けることが可能です。
このように、センサは設備保全の効率化と生産性向上を実現する重要な技術といえます。
まとめ
センサは物理現象を電気信号に変換し、設備の見える化と自動制御を実現します。製造現場へのセンサを導入すると、早期異常検知と省人化により、設備保全を効率化できます。
【用途別】センサの種類一覧と特徴

工場など設備保全が必要な現場では、用途に応じてさまざまなセンサが活用されています。代表的なセンサの種類と、それぞれの検知対象や利用シーンを分かりやすく解説します。
温度センサ|モーターや配管の温度監視に活躍
温度センサはモーターや配管などの温度変化を検知し、異常な過熱を早期に発見するために使われます。設備の温度が規定値を超えた際にアラートを発し、故障や火災のリスクを未然に防ぐことが可能です。
温度センサには、接触型と非接触型の2種類があります。接触型は対象物に直接触れて測定するため高精度です。非接触型は離れた位置から測定できるため、回転する部品など直接触れられない部分の測定に適しています。
用途や求める精度に応じてセンサを使い分けると、効果的な温度管理が可能です。
圧力センサ|液体・気体の異常圧を監視
圧力センサはタンクや配管内の圧力を常時監視し、異常な圧力上昇や低下を検知します。
圧力センサは化学、機械、製鉄など幅広い産業分野で活用されており、リアルタイムでの圧力監視により、設備の安定稼働と作業者の安全確保を同時に実現します。検知対象は気体と液体の両方で、高精度で長期間安定した測定により、漏れや爆発といった事故を未然に防ぐことが可能です。
光電センサ|物体の検知やカウントに使える
光電センサは光の遮断や反射を利用して物体の有無を検知するセンサです。発光部から照射された光が対象物に遮られたり反射したりすることで、物体の存在を判別します。
工場の生産ラインでは、部品が正しく配置されているかの確認や、製品の通過数をカウントする用途で広く使われています。非接触で検知できるため対象物を傷つけたり汚したりせず、光の速さで高速で動作する点が特徴です。
近接センサ|接触せずに対象物を検知
近接センサは磁界や静電容量の変化を利用して物体の接近を検出するセンサです。誘導型は金属を、静電容量型は金属や非金属も検出でき、数ミリ〜数十ミリの短距離で物体の存在を判別します。検知したい対象物の種類により、センサのタイプを選び分けましょう。
工場では、ワークの位置決めや部品の有無確認などに近接センサは活用されています。物理的な接触がないため摩耗が少なく、長期間安定して使用できる耐久性の高さが特徴です。
振動センサ|機械の異常振動をリアルタイム検知
振動センサは機械や設備の振動を常時監視し、通常とは異なる振動パターンを検知します。ベアリングの摩耗や回転体のバランス崩れといったように、設備の劣化や異常は振動の変化として現れやすいため早期発見が可能です。
予知保全の分野では、振動データを継続的に分析することで、故障が発生する前にメンテナンスを実施できます。また、異常振動を即座に検知してアラートを発することで、重大な事故を防いで作業者の安全確保にも貢献します。
湿度センサ|製品や設備を湿気から守る
湿度センサは空気中の湿度変化を検知し、設備や製品を湿気による悪影響から守ります。高湿度環境では腐食、結露、カビの発生といった問題が起こり、製品品質の低下や設備の故障につながります。湿度センサを導入することで、このようなリスクを未然に防ぐことが可能です。
保管庫や倉庫、食品工場、電子機器の製造現場など、厳密な湿度管理が重要な環境で、湿度センサは広く使用されています。
距離・変位センサ|正確な位置検知やズレの測定
距離・変位センサは、対象物までの距離や変位量を高精度で測定します。ミリ単位、場合によってはミクロン単位での測定が可能なため、精密な加工や組立工程での品質管理には距離・変位センサが欠かせません。
代表的な方式には、レーザー式と超音波式があります。レーザー式は光を使用し、遠くの小さな物体も正確に測定でき、応答速度も高速です。超音波式は音波を利用するため、透明な物体や、汚れや粉塵がある環境などでも安定して測定できます。
赤外線・人感センサ|人の動きを検知して省エネ制御
赤外線・人感センサは、電力コストの削減と安全性の向上を同時に実現するセンサです。センサが人の存在や動きを検知すると、照明や空調設備を自動で制御します。工場や倉庫、オフィスなど広い空間での省エネ対策に効果的です。
また、立入禁止エリアへの侵入検知や、作業者の安全確認といったセキュリティ・安全管理にも、赤外線・人感センサは活用されています。
まとめ
センサには用途に応じた多様な種類があり、それぞれに特徴があります。適切なセンサを選ぶには、検出対象や設置環境、設置目的を考慮しましょう。
センサの選び方や選定で失敗しないためのポイント

目的に合わないセンサを選んでしまうと、期待した効果が得られません。この章では、センサの種類選びや選定で失敗しないためのチェックポイントを、設置環境、信号形式、保守性といった実務視点で紹介します。
目的と用途に合ったセンサを選ぶ
センサ選定のポイントは、導入目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま選定を進めると、「設置後に思った通りに動作しない」や「必要な情報が取得できない」といった問題が発生し、導入が失敗に終わるリスクがあります。
まず、センサはそれぞれ検出原理が異なるため、検知対象によって選ぶべき種類が決まります。温度を測りたいなら温度センサ、圧力を測りたいなら圧力センサ、物体までの距離を測りたいなら距離・変位センサの使用が適切です。
測定範囲、精度、応答速度といった要件も定義し、使用条件を明確にして最適なセンサを選びましょう。
設置環境の確認(温度・湿度・防塵・防水)
センサを適切に動作させるために、設置環境との適合性を確認しましょう。高温・低温環境、多湿な場所、粉塵が多い工場、水がかかる可能性のある場所など、使用環境によって求められる耐性が異なります。
センサの仕様書には、動作温度範囲や防塵・防水性能を示すIP規格が記載されているため、必ず確認しましょう。IP規格は「IP」の後に続く2桁の数字で表され、1桁目が防塵性能(0〜6の7段階)、2桁目が防水性能(0〜8の9段階)を示します。数字が大きいほど保護性能が高くなります。
出力形式・信号の互換性チェック
センサを導入する際は、既存のPLCなどの制御システムと接続できるか、出力形式を必ず確認しましょう。出力形式の選択を誤ると、センサを設置しても制御システムと連携できず、運用に支障が出るためです。
センサの出力形式には、アナログ出力とデジタル出力があり、接続先の機器によって対応する形式が異なります。アナログ出力は電圧や電流で連続的な数値を伝え、デジタル出力はON / OFFの信号を伝えます。
メンテナンス・保守性も忘れずに
センサの選定では、運用開始後のメンテナンス性も必ず考慮しましょう。部品交換のしやすさ、清掃や校正の頻度、部品調達のしやすさなどを事前に確認しておかないと、故障時の対応に時間がかかり、生産ラインの停止を招く可能性があります。
また、初期費用だけに目を向けず、ランニングコストを含めた総コストでの比較検討も重要です。メンテナンスしにくいセンサは、結果的に経費の増大につながるため注意が必要です。
まとめ
センサ選びでは、測定目的を明確化した上で、設置環境や出力形式との適合性、メンテナンス・保守性の確認が欠かせません。導入後のトラブルや無駄なコストを避けるためにも、事前に条件を洗い出して総合的に判断しましょう。
センサ導入のよくある課題とその対策

センサ導入では、費用負担や設置の手間、誤作動リスク、データ活用の難しさといった課題が発生しがちです。課題への対策を紹介するので、失敗を防ぎましょう。
コストや設置の手間が必要
センサ導入時には、本体に加え、設置・配線工事の費用が発生します。また、既存設備への後付けの場合、停止時間の確保や工事調整が必要となり、結果として初期費用が膨らみがちです。特に生産ラインの規模が小さい場合は、投資回収までの期間が長くなり、割高だと見なされがちです。
いきなり大規模な範囲に導入せず、まずはスモールスタートで始めて段階導入することで、費用などの負担を抑えられます。
誤作動やセンサ不具合のリスクがある
センサは埃・油・振動・熱・蒸気といった外部要因により誤作動しやすく、意図しない停止や動作不良が起きる場合があります。センサの種類によって脆弱な環境が異なるため、設置前に環境適合性を見極める必要があります。
また、汚れの蓄積が感度低下や不具合を招くため、センサの清掃や校正を計画的に行える体制を前提に設計しておきましょう。
データの活用までに技術的ハードルがある
センサを設置しても、取得データを分析して活用に使い切るには、ITスキルやシステム連携の知見が不可欠です。IoTに不慣れな工場では、データを集めただけで活用されない状態に陥りがちです。
センサ導入からデータ活用まで一体で支援する外部サービスを活用し、運用基盤ごと整えることが現実的な対策になります。
まとめ
センサ導入では費用負担や誤作動、データ活用の壁といった課題が発生します。ただし、段階的な導入や環境適合性の確認、外部サービスの活用といった対策で失敗を避けられます。
センサの理解が、最適な設備保全への第一歩
設備保全では温度・圧力・振動・近接・光電など、用途に合わせたセンサを使い分けることが重要です。適切な選定ができれば、異常の早期発見や省人化に直結します。
センサ活用のポイント
- 種類と特徴の把握:温度や振動など、目的に応じたセンサを選ぶ
- データの精度確保:安定した測定環境と正しい設置が成果を左右する
- 導入コストと手間の見極め:予算と運用負荷に合わせて段階的に導入する
- 外部サービスの活用:自社で不足する分析や運用ノウハウを補い、効果を安定させる
センサは設置すれば終わりではなく、目的に合わせて選び、運用し続けてこそ価値が生まれます。課題を抑えながら段階的に進めることで、設備保全DXの成果を着実に伸ばせます。
センサ導入費用を抑えた設備状態の可視化はMONiPLAT
センサの導入費用やデータ活用の負荷を抑えつつ設備状態を可視化したいなら、設備点検プラットフォーム「MONiPLAT」の活用がおすすめです。
MONiPLATは、日常点検で取得した設備ごとのデータをクラウドに集約し、異常兆候の検知・通知・記録までを一体で支援します。MONiPLAT上で人による点検(TBM)とセンサによる記録(CBM)を一元的に管理できるため、報告書作成の重複作業を省け、保全業務の全体効率が高まります。
ZeroVisitはセンサによる状態監視サービスであり、あらゆる設備をIoTセンサで常時監視し、異常予兆をメールで通知すると共に、取得データを自動的に点検報告書へ連携します。
人の手による点検で生じていた、漏れやご記入・報告や判断の遅れといった課題を解消可能です。無線でゲートウェイ(アルマジロ)に接続する「ミスター省エネ」と、既設センサや無線不可の設備に有線でつなぐ「リモートI / O」の2方式で導入でき、新旧設備を問わず展開可能です。
現場の点検業務を効率化しながら、センサ導入費といった初期費用を抑えたい場合は、ぜひ一度MONiPLATの資料をご請求下さい。

著者
山内 由佳(やまうち ゆか)
有機無機系の材料科学を専攻後、化学メーカーにて研究補助や製造に関わる業務を経験。その後、SEOライターとして、IT・技術記事をはじめとする幅広い分野の記事制作に携わる。複雑な内容を噛み砕いて整理することを得意とし、インテリア・料理・植物などのライフスタイル系コンテンツにも取り組んでいる。