IoTセンサとは?製造業での活用シーンや選び方のポイントを解説
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センサは、製造業をはじめとする多くの産業で、業務効率化や生産性向上を実現する技術として期待されています。
この記事では、センサの基本的な仕組みや種類、製造業における具体的な活用事例を解説します。さらに、導入で失敗しないための選定ポイントや注意点も紹介するため、自社への導入を検討する際の参考にしてください。
IoTセンサとは?その意味と仕組み

IoTセンサとは、現実世界の物理的な情報を検知・測定し、デジタルデータに変換してインターネット経由で送受信できる装置や機器の総称です。
IoTは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略で、さまざまな「モノ」をインターネットに接続する技術を指します。
この仕組みにおいて、IoTセンサは温度や動きといったモノの状態をデータ化する入力装置の役割を担い、設備の遠隔監視や、収集したデータの分析による予知保全などを可能にします。
まとめ
IoTセンサは、モノの状態をデータ化する役割を担い、設備の遠隔監視や収集データの分析による予知保全などに役立てられます。
センサの種類一覧|計測・検知できる主なデータ

センサは、その目的や用途に応じて多種多様な種類が存在します。ここでは、特に工場などで活用されることが多い、代表的なセンサと取得できるデータについて解説します。
| センサの種類 | 製造業における主な活用シーン |
|---|---|
| 温度・湿度センサ |
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| 圧力センサ |
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| 電流・電圧センサ |
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| 加速度・振動センサ |
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| 位置情報センサ |
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| 画像・映像センサ |
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温度・湿度
温度・湿度センサは、モノや空間の温度、空気中の水分量を測定するセンサです。温度センサは金属の電気抵抗が温度によって変化する性質を、湿度センサは湿度によって静電容量が変化する素子などを利用して計測します。
製造現場では、製品の品質を保つための倉庫やクリーンルームの環境管理に用いられます。また、作業員の熱中症対策として、作業環境の温度・湿度を監視するためにも活用されます。
圧力
圧力センサは、気体や液体の圧力を測定し、デジタルデータに変換するセンサです。圧力が加わることで電気抵抗が変化する半導体などを利用して、圧力を数値化します。
工場では、コンプレッサーやポンプの吐出圧力の制御、配管やタンク内部の圧力監視などに用いられます。圧力を常時監視することで、設備の異常やガス・液体の漏れといった変化を早期に検知できるようになります。
電流・電圧
電流・電圧センサは、回路に流れる電流や電圧の大きさを測定するセンサです。工作機械やモーター、コンベヤなどの各種設備に取り付けられ、稼働状況を監視するために利用されます。また、省エネ化のため、設備ごとの詳細な消費電力を把握するのにも役立てられます。
加速度・振動
加速度・振動センサは、物体の速度変化や傾き、振動を検知するセンサです。モーターやポンプといった回転機器や大型の製造装置などに取り付けられることが多く、通常とは異なるパターンの振動を検知することで、部品の摩耗やベアリングの異常といった設備の変調を捉えます。これにより、突発的な設備停止を予防できます。
位置情報
位置情報センサは、衛星からの電波などを利用して、人やモノの正確な位置を特定するセンサです。代表的なものに「GPSセンサ」があり、工場敷地内での部品や製品、運搬車両の現在位置を把握するために活用されます。
これにより、資産管理の効率化に繋がるほか、生産工程におけるモノの動線分析によるボトルネックの特定も可能になります。
画像・映像
画像・映像センサ(イメージセンサ)は、カメラで捉えた光の情報を電気信号に変換し、画像や映像としてデジタルデータ化するデバイスです。製造ラインで製品の形状、色、印字などを高速で読み取り、傷や欠け、異物混入といった不良品を自動で検出するために利用されます。
AI技術と組み合わせることで、より高度な外観検査や異常検知が可能になります。これまで人手に頼っていた目視検査を自動化・効率化できる点も大きなメリットです。
まとめ
センサには多様な種類があり、工場では温度・湿度による環境管理、圧力での漏れ検知、電流・電圧での稼働監視などに活用されます。その他、加速度・振動による予知保全、位置情報による資産管理、画像センサによる外観検査などにも用いられます。
工場におけるセンサの活用シーン

センサは、製造業のさまざまな場面で導入が進んでおり、生産性の向上やコスト削減に大きく役立っています。この章では、代表的な活用シーンを4つ紹介します。
- 設備の予知保全・状態監視
- 製造ラインの稼働状況の可視化
- 製品の品質管理の高度化
- 作業員の安全管理・労務環境改善
設備の予知保全・状態監視
センサの活用により、設備の稼働状態を常時監視し、故障の予兆を検知する「予知保全」を実現できます。従来の定められた期間ごとに行う定期的なメンテナンス(TBM)では、故障の予兆を事前に捉えることが難しく、突然の設備停止が生じるリスクがありました。
しかし、モーターやポンプなどの重要設備に振動センサや温度センサを取り付け、稼働データを常時監視することで、通常とは異なる振動や温度上昇といった故障のサインを早期に発見できます。これにより、計画的な部品交換や修理が可能となり、突発的なダウンタイムやメンテナンスコストの削減が期待できます。
予知保全(PdM)の詳細については、以下の記事をご覧下さい。
製造ラインの稼働状況の可視化
各装置にセンサを設置することで、生産数や稼働時間といったデータを自動収集でき、製造ラインの稼働状況をリアルタイムで可視化できるようになります。
従来、生産数や稼働時間の把握は、作業員によるメーターの数値読み取りや手作業での記録に頼ることが多く、多大な工数がかかるだけでなく、データの正確性や即時性に課題がありました。
しかし、各製造装置に電流センサや光電センサなどを設置すれば、生産数や稼働時間といったデータが自動で収集され、リアルタイムで状況を把握できます。これにより、作業員の記録業務が不要になるだけでなく、正確なデータに基づいた生産計画の精度向上や、改善活動の迅速化が期待できます。
製品の品質管理の高度化
センサは、製品の品質管理を高度化する上でも役立ちます。人の目視による外観検査では、ヒューマンエラーによる見落としや検査員ごとの判断基準のばらつきが課題となりがちでした。また、製造環境の変化が品質に与える影響を正確に把握することも容易ではありません。
たとえば、温度・湿度センサで製造環境を常時監視し最適な状態に保つことで、品質の安定化を図れます。さらに、製造ラインに画像センサとAIを導入すれば、製品の外観検査を自動化でき、検査精度の向上や効率化、不良品の流出防止が可能です。
作業員の安全管理・労務環境改善
センサの活用は、作業員の安全を守り、労働環境を改善するためにも有効です。広大な工場や高所での作業では、万が一の転倒・転落や体調の急変に周囲が気付きにくく、対応が遅れてしまうリスクがあります。
作業員が装着するウエアラブルデバイスに搭載されたセンサを活用すれば、転倒などをリアルタイムで検知し、管理者に通知できます。また、工場内に設置した温湿度センサで作業環境を常時監視し、熱中症のリスクが高まった際にアラートを発することも可能です。
まとめ
センサは製造現場で広く活用されています。代表例は設備の予知保全で、その他にライン稼働状況の可視化や品質管理の高度化、作業員の安全管理などにも役立てられます。
センサ導入で失敗しないための5つのポイント

センサの導入効果を最大化するには、適切なセンサの選定が欠かせません。この章では、選定時に押さえておくべき5つのポイントを解説します。
- 導入目的と解決したい課題を明確にする
- 測定対象と必要な精度を見極める
- 設置環境や電源供給方法を確認する
- データ収集の頻度と通信方法(有線・無線)を検討する
- 導入後のデータ活用方法まで見据える
導入目的と解決したい課題を明確にする
センサを導入する際は、まず「何のためにデータを取得するのか」という目的と、それによって解決したい課題を明確にすることが重要です。目的が曖昧なままでは、どのようなデータを、どの程度の精度や頻度で取得すべきかが定まらず、適切なセンサを選べません。
たとえば、「設備の突発停止を減らしたい」や「品質検査の精度を上げたい」といった現状の課題を具体的に洗い出しましょう。デジタル技術の活用によって何を解決したいかを定義することが、導入を成功させるポイントです。
測定対象と必要な精度を見極める
測定対象に対して、費用対効果を考慮した最適な精度のセンサを選ぶこともポイントです。センサには必ず測定誤差があり、一般的に精度が高いほど高価になる傾向があります。
もちろん、厳密な品質管理が求められる工程では高精度なセンサが必要ですが、単に設備の異常傾向を監視するだけであれば、過剰なスペックは不要な場合もあります。導入目的と照らし合わせ、必要な精度を見極めることで、無駄なコストを抑えられます。
設置環境や電源供給方法を確認する
センサを選ぶ際は、設置場所の環境に適した耐久性を持ち、適切な電源供給が可能な製品を選ぶ必要があります。たとえば、屋外や高温多湿、粉塵が多い環境では、防水・防塵性能の高いセンサが最適です。
また、設置場所で有線による電源供給が容易か、あるいは電池駆動の無線(ワイヤレス)センサが必要かどうかも確認しましょう。電源の確保方法は、選択できる製品の種類や運用コストに大きく影響します。
データ収集の頻度と通信方法(有線・無線)を検討する
データを収集する頻度とデータを送るための通信を、目的に応じて適切に選ぶことも大切です。データ収集の頻度は無線センサの電池寿命や通信コストに直接影響するため、目的に対して過剰にならないよう設定することが重要です。
また、通信方法にはアナログ通信(4~20mA、1~5V等)に加え、近距離無線からLPWA(省電力広域通信)、5Gまで多様な選択肢があります。通信距離や消費電力、コストなどを総合的に考慮し、自社の環境に最適な通信方法を選定しましょう。
導入後のデータ活用方法まで見据える
センサの導入前に「収集したデータを、誰が、どのように分析・運用するのか」という具体的な運用フローを設計しておくこともポイントです。たとえば、「異常値を検知したら誰に通知し、その担当者は何をするのか」といったルールを明確にします。
こうした運用体制がなければ、データがただ蓄積されるだけで活用されず、導入効果が得づらくなります。センサという「道具」だけでなく、それを使いこなすための「ルール」や「体制」をセットで考えることが、導入を成功させる上で重要です。
まとめ
センサの選定で失敗しないためには、まず導入目的と課題を明確にします。その上で、必要な測定精度や設置環境、電源供給方法、データの収集頻度と通信方法、さらに導入後のデータ活用方法まで見据えて選ぶようにしましょう。
IoTセンサ導入における注意点と対策

IoTセンサの導入に際しては、いくつかの注意点もあります。この章では、導入前に把握しておきたい注意点とその対策について解説します。
- 導入・運用にコストがかかる
- 専門知識を持つ人材の確保が求められる
- データ管理が行える環境の整備が必要である
導入・運用にコストがかかる
IoTセンサの導入には、センサ本体の費用だけでなく、通信機器やクラウドサービスの利用料といった初期費用や運用コストが発生します。
費用を抑えたい場合は、まず解決したい課題を明確にし、必要最小限の機能を持つシステムから小さく始める「スモールスタート」が有効です。また、市場に広く流通している比較的安価な汎用センサを選んだり、システム開発が不要なパッケージ化されたサービスを利用したりすることも、初期費用や開発期間の圧縮に繋がります。
専門知識を持つ人材の確保が求められる
IoTシステムの構築・運用には、センサだけでなく、ネットワーク、クラウド、データ分析など幅広い分野の専門知識が必要となる場合があります。しかし、多様なスキルを兼ね備えた人材を自社だけで確保・育成するのは、容易ではないケースも多くあります。
対策としては、まず自社のリソースで対応できる範囲を見極めることが必要です。その上で、不足する部分は導入から運用まで一貫して支援してくれるベンダーなど、外部の専門企業のサポートを活用するとよいでしょう。
データ管理が行える環境の整備が必要である
IoTセンサで収集した膨大なデータを、適切に管理・活用するための環境整備も重要です。
センサを導入したものの、取得したデータをどのように活用すればよいか分からないという問題に直面することが少なくありません。また、センサごとにデータ形式が異なり一元管理が難しかったり、人の手による点検情報とデータが分断されたりといった課題も生じがちです。
そのため、センサの選定と同時に、データの可視化・分析を行うためのデータ活用基盤をどのように整備するのか、計画を立てることが大切です。
まとめ
IoTセンサ導入には、本体以外の通信費やクラウド利用料といったコストがかかります。また、専門知識を持つ人材の確保や、収集したデータを管理・活用する環境整備も課題です。対策としては、スモールスタートで始めたり、適宜ベンダーに頼ったりすることが有効です。
IoTセンサの導入では、データ活用環境を整備しよう
IoTセンサの導入により、設備の予知保全や品質管理の高度化、作業員の安全確保など、多くのメリットが得られます。しかし、単に導入するだけでは十分な効果が得られない可能性があります。そのため、センサが収集したデータを、人の手による点検情報などと統合し、一元的に管理・活用できる基盤を整えることが大切です。
IoTセンサ導入におけるポイント
- 目的の明確化:何のためにデータを取得し、何を解決したいのかを具体的に定義する
- 適切なセンサの選定:測定対象や必要な精度、設置環境に適した製品を選ぶ
- データ活用方法の設計:収集したデータをどのように分析・運用するかを明確にする
IoTセンサの導入からデータ活用までを成功させるためには、これらのポイントを踏まえて導入計画を立てましょう。
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具体的には、センサが取得した測定値をMONiPLAT上のデジタル点検表に自動で記録でき、従来、作業員が現場で行っていた目視確認やメーター読み取り、手書き記録といった作業を削減できます。データの手入力や転記作業が不要になるため、ヒューマンエラーを防止し、記録データの信頼性を向上させることも可能です。
人の点検記録(TBMの検査結果)とセンサの自動記録(CBMの検査結果)をMONiPLAT上で一元管理できるため、報告書作成の二度手間がなくなり、保全業務全体の効率が向上する点も魅力です。
また、温度・振動・電力など多様なセンサに対応しており、工場の生産設備から建物の付帯設備まで、幅広い対象の遠隔監視体制を柔軟に構築できます。後付け可能な無線センサも多く、既存設備を大きく改修することなくスモールスタートできるため、小規模設備や点在する設備にも低コストで導入が可能です。
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著者
吉崎 明(よしざき あきら)
BtoB領域を専門とするライター・編集者。製造業の分野では、DX推進や設備保全、品質管理、サプライチェーンなどをテーマとした記事を多数担当。専門的な情報を分かりやすく解説し、読者の課題解決に貢献することが得意。