設備の予防保全管理システム 定期点検アプリ MONiPLAT

点検業務の自動化による効率化を徹底解説【従来の運用方法から脱却する予防保全の最適解】

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点検業務の自動化による効率化を徹底解説【従来の運用方法から脱却する予防保全の最適解】

「紙の点検表やExcel管理では限界を感じているが、具体的にどう変えるべきか分からない」や「センサを使った状態監視に興味はあるものの、コストや導入ハードルが不安で動けていない」といったお悩みは少なくないでしょう。

設備の点検業務は、安全確保や安定稼働に直結する一方で、記録・転記作業や承認・報告フローなど、それに付帯する作業が膨らみがちです。人手不足や多拠点化が進むなかで、従来通りの運用手順のままでは、点検工数を削減することは難しいと言えます。

本記事では、従来の点検運用がどこでボトルネックになりやすいのかを整理したうえで、点検業務の自動化によって得られる効率化ポイントについて解説します。MONiPLATを活用した導入設計・手順まで、現場でイメージしやすい形でご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

従来の課題

従来の点検業務における課題とは?

紙やExcelに依存した従来の点検運用は、記録・管理・共有のすべてが手作業に寄って立つため、現場負荷が増えやすく、点検の質とスピードが安定しづらいという課題があります。特に、複数拠点で設備を運用する企業ほど、情報統制が難しくなり、異常の早期発見や改善活動にデータを活かせないケースが少なくありません。

この章では、紙の点検表における運用の限界とExcel・スプレッドシートによる運用の行き詰まりなど、従来の点検業務が直面している代表的な課題を整理します。

紙の点検表運用が抱える5つの限界とリスク

紙の点検表は、導入コストがかからず誰でも扱える一方で、設備数や拠点数が増えるほど記録の質や作業時間、統制の面で限界が見えてきます。

ここでは、紙の点検表による運用が抱える代表的な5つの課題を整理します。

手書きによるヒューマンエラーが避けられない

紙の点検表は手書きが前提になるため、どうしても人為的ミスが発生しやすくなります。現場環境によっては、油や粉じん、雨水などで文字がにじんだり、そもそも書きにくい状況も珍しくありません。

たとえば、次のような問題が起こりがちです。

  • 記入漏れや記入欄の書き間違いに気づきにくい
  • 文字が読みにくく、判定結果を誤解される
  • 「○ / × / △」などの記号が人によって書き方も解釈も異なる
  • 異音や異臭などの表現がバラバラで、状態が共有しづらい

このように、紙の点検表では記載ミス・記入漏れ・読めない、といったリスクが常につきまといます。結果として、本来検知すべき異常を見逃したり、後続の判断が遅れるきっかけになってしまいます。

点検前後の作業動線にムダが多く、工数がかかる

紙の点検表では、実際に機器を見ている時間以外にも、さまざまな付帯作業が発生します。これらは直接的な付加価値を生まないにもかかわらず、現場の工数をじわじわ圧迫していきます。

典型的なフローとしては、次のような動きが必要になります。

  • 点検前に、事務所で点検表を印刷・準備する
  • 現場まで点検表を持ち運び、記入しながら巡回する
  • 点検後、事務所に戻って提出・回収を行う
  • 日報や月報作成のために点検表を整理・ファイリングする

設備や拠点が増えるほど、紙を準備して運び、回収して片付けるという作業が積み上がります。1件あたりは数分でも、全体では年間数十時間〜数百時間単位のロスになることもあり、人手不足の現場ほど大きな負担になりかねません。

集計・検索・共有・監査対応に手間がかかる

紙の点検表はそのままでは現場に閉じた情報になってしまい、過去履歴の活用や横断的な分析がしづらいという欠点があります。

具体的には、次のような場面で非効率が目立ちます。

  • 過去の傾向を確認するために、紙ファイルを1枚ずつめくって探す
  • 年度ごと・設備ごとにファイルが分かれており、全体像を把握しづらい
  • 監査や是正報告の際に、該当する記録を探すだけで時間がかかる

点検データは本来、傾向の把握や異常の予兆検知に活用したい情報です。しかし紙のままでは、集計・検索・共有に余計な時間がかかり、せっかく蓄積した記録が活かしきれないデータになってしまいます。

点検方法が属人化し、標準化が難しくなる

紙の点検表は書き方や判断の仕方が個人に委ねられやすく、ベテラン依存の運用になりがちです。マニュアルがあるとしても、実際の判断基準は経験則に寄ってしまうケースも少なくありません

このような運用を続けると、次のような問題が表面化してきます。

  • 同じ設備でも、担当者によって「正常 / 異常」の基準が異なる
  • 新人・異動者への教育に時間と工数がかかる
  • ベテランが退職した際に、ノウハウが引き継がれず品質が落ちる

結果として、点検結果のばらつきが大きくなり、再現性や信頼性が低下してしまいます。設備の状態を会社全体で統一的に評価したい場合には、大きな障壁になる要素です。

多拠点運用では統制が取れず、リアルタイム性も失われる

複数拠点でそれぞれ紙の点検表を運用している場合、フォーマットや点検周期、記録の保管方法がバラバラになりやすくなります。本社や管理部門から見ると、どの拠点がどのレベルで点検できているのかが非常に見えづらい状態です。

その結果、次のようなリスクが高まります。

  • 拠点ごとに独自ルールが増え、全体の点検レベルが揃わない
  • 異常が発生してから本社が把握するまでタイムラグが生じる
  • 重大トラブル時に、原因究明や是正策の検討に必要な情報がすぐ出てこない

紙の仕組みだけでは「今、どこで、何が起きているか」をリアルタイムに把握することは難しいことが実情です。安全性やコンプライアンスが強く問われる昨今、紙の点検表運用だけで多拠点を統制するのは、構造的に無理があると言えるでしょう。

Excel・スプレッドシートによる運用でも完全に改善できない

Excelやスプレッドシートは、紙の点検表と比較すると検索性・編集性が向上し、一定の効率化が図れます。しかし、本質的な課題であるリアルタイム性や記録の標準化、データの利活用、現場適応性などの壁は依然として残ります。

そのため、点検業務の高度化や自動化を進めるには、表計算ソフトではカバーできない領域が徐々に業務のボトルネックとなっていきます。

バージョン管理と権限設定が複雑化し、運用負荷が増大する

Excelやスプレッドシートは本来、個人や少人数での集計用ツールとして設計されています。そのため、点検業務のように多拠点・多人数がアクセスする運用では、構造上の限界が露呈します

次のような問題が起こりやすくなります。

  • 回線負荷やPCスペックに依存し、ファイルの更新が遅くなる
  • 同一ファイルの複製により、最新版の判別がしづらい
  • シート単位の細かい権限設定ができず、誤操作・誤入力が発生する
  • 承認フローを直接介する必要があり、二重運用になる

Excelやスプレッドシートは情報を置く場所にすることはできたとしても、業務プロセスを統制する器にはなれないという構造的な問題を抱えています。

現場での操作に適さず、作業工数の改善につながらない

点検業務は現場で行う作業のため、現地で入力・記録できるかどうかが効率化の鍵を握ります。しかしExcelやスプレッドシートは、次の点で現場運用に不向きです。

  • スマホやタブレットではUIが最適化されず、入力に時間がかかる
  • 写真添付やコメント記録が手間になり、記録品質がブレる
  • 設備センサとの直接連携ができず、データ取り込みは結局手作業

そのため、対象設備の状態をその場で記録するという根本的な業務の効率化が達成できません。Excelやスプレッドシートは管理ツールとしては便利ですが、現場の作業工数を減らすという目的には向いておりません。

データ連携とアラート設計ができず、異常予兆の検知に限界がある

点検業務のDXが注目される背景には、「故障してから直す」のではなく「故障前に察知する」という考え方が広がっていることがあります。しかしExcelやスプレッドシートでは、このような高度な予防保全に対応できません

具体的には、以下のような課題が挙げられます。

  • 機器状態の変化を時系列で自動分析できない
  • 異常値が発生しても通知されず、気付いた時点で手遅れ
  • 他システムとのAPI連携や自動集計が困難

これでは点検表のデジタル化はできても、保全レベルを引き上げる仕組みには到達できません

まとめ

従来の点検業務は紙やExcelに依存するため、記録の属人化や転記作業のムダ、履歴検索の手間が発生しやすく、多拠点運用では統制も困難です。リアルタイム性やデータ活用にも限界があり、設備保全の高度化に対応できない点が大きな課題となっています。

点検の自動化

点検業務の自動化とは?点検デジタル化による分担設計

点検業務の役割は、設備の異常を見逃さず、安全と生産性を維持することにあります。しかし、紙の点検表やExcel・スプレッドシート管理に依存する従来型の運用では、巡回工数の増大や情報管理の煩雑化、異常兆候の見逃しといった課題が残り、設備保全の高度化に限界が見え始めています。

そこで注目されているのが、点検業務そのものをデジタル化し、必要に応じて自動化する運用モデルです。この章では、MONiPLATを例に、TBM(時間基準保全)とCBM(状態基準保全)2つの保全手法をどのように組み合わせることで、点検業務を効率化していくのか、その仕組みについて解説します。

MONiPLAT TBM:ペーパーレスで点検表のデジタル化を実現

設備保全におけるTBM(時間基準保全)は、あらかじめ設定された周期で点検を行う方式です。日常点検・定期点検・巡回点検など、さまざまな点検業務がこのTBM(時間基準保全)に該当し、多くの企業で実施されている保全活動となっています。

TBM(時間基準保全)では、点検そのものは人が行う必要があり、従来の運用体制の場合、以下のような課題が挙げられます。

  • 点検漏れや誤記入による品質のばらつき
  • 点検表の回収・転記・承認作業の工数発生
  • 拠点ごとの帳票形式の乱立による管理負荷
  • 過去データの検索性の低さによる監査・原因分析の非効率化

「MONiPLAT TBM」は点検業務における領域をデジタル化し、点検業務全体を効率化するMONiPLATの基本機能です。スマホやタブレットで点検表を入力でき、記録は自動的にクラウドへ保存されるため、点検後の事務作業がほぼゼロになります。

MONiPLAT導入によって得られる主な価値は次のとおりです。

  • 点検表のペーパーレス化
  • 点検漏れ・誤入力アラートで品質を均一化
  • 承認・共有フローのリアルタイム化
  • 過去点検記録の検索・監査対応が容易

MONiPLAT TBMは、紙やExcelでは達成できない「運用の標準化」と「記録の資産化」を実現し、点検業務における効率化の土台となります。また、20設備まで無料で利用することができるので、導入テストのしやすさや導入ハードルの低さを売りにしています。

MONiPLAT CBM:センサ情報を活用して、現地確認が不要な点検項目を自動化

TBM(時間基準保全)は決められた周期で点検を行うことで設備の状態を維持する保全方式です。しかし、周期点検だけでは設備異常の兆候をリアルタイムに把握できないため、以下のような課題が残ります。

  • 点検タイミングの前に異常が発生する
  • まだ使用できる部品も交換対象になり、コストが最適化できない
  • 巡回点検に依存し続け、工数が減らない

このギャップを埋めるには、設備の状態に応じて点検や保全を判断するCBM(状態基準保全)という保全方式が適当です。

「MONiPLAT CBM」の1ソリューション「ZeroVisit」は、設備に設置したセンサから1分ごとにデータを自動取得し、取得データを10分周期のトレンドとしてMONiPLATのダッシュボード上に蓄積・可視化します。その結果、担当者が現地に行かずとも設備の状態を把握でき、異常兆候にも早期に気付くことができます

さらに、他社サービスにはないMONiPLAT独自の価値として、点検表画面の「センサ情報を取得」ボタンを押すだけで、ZeroVisitが収集したセンサデータをそのまま点検表へ自動転記できるという仕組みがあります。この機能によって、遠隔監視と点検記録の統合運用が可能になり、点検作業そのものが大幅に省人化します

ZeroVisitを導入することで、目視・聴視が不要な点検箇所の巡回が削減され、MONiPLAT TBMだけでは不可能だった遠隔監視型の予防保全が実現します。これによって、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 巡回点検工数の削減(必要な現地点検にのみリソースを集中)
  • 異常兆候の早期検知によるダウンタイム抑制
  • 点検記録の自動化で転記ミス、防げるヒューマンエラー
  • 遠隔監視 × 点検表自動転記という、他ではあまり例のない運用フロー
  • TBMとCBMを単一プラットフォームで統合できる

ただし、すべての設備がセンサ化できるわけではありません。そのためMONiPLATでは、センサ化できない設備は基本機能であるMONiPLAT TBMで巡回点検、状態監視で代替できる設備はZeroVisitという「TBM × CBM」の最適分担モデルで、点検業務全体の効率化を図ります

まとめ

点検業務の自動化は、紙やExcel主体の運用では解消できない工数・品質・リアルタイム性の課題を解決する手段です。MONiPLATでは、TBM機能で点検業務をデジタル化しつつ、CBM機能で状態監視を自動化することで、人が行う点検とセンサで代替できる点検を最適に分担できます。これにより、属人化の排除や巡回負荷の低減、予防保全の向上が実現します。

点検自動化によるメリット

点検業務の自動化によって得られる5つのメリット・効果

点検業務の自動化は、従来の運用では避けられなかった非効率や属人化を根本から解消します。MONiPLATのようなデジタル点検プラットフォームを活用することで、記録・判断・共有といった点検業務のプロセス自体が変わり、設備保全の質とスピードが飛躍的に向上します。

この章では、点検業務の自動化によって得られる代表的な5つの効果を整理します。

入力・承認がリアルタイム化し、点検後の事務作業が消滅する

紙の点検表やExcel・スプレッドシートでの管理では「点検 → 回収 → 転記 → 承認」という後処理が必ず発生するため、実務では点検工数より事務作業工数の方が大きいという例も珍しくありません。

点検業務が自動化された環境では、点検結果を入力すると同時にクラウドへ反映され、承認者はその場で確認できます。点検完了と同時に報告フローも終了するため、作業遅延や承認待ちといったボトルネックが解消します

リマインダー・アラート機能で「点検漏れ」や「誤記入」が発生しない運用を実現

点検業務では、巡回忘れや点検漏れが発生した瞬間にリスクに直結することがあります。点検業務を自動化する環境であれば、次の仕組みでヒューマンエラーを抑止できます。

  • 点検期限が近づくと自動通知
  • 入力形式・必須項目の統制により誤入力を防止
  • 異常値(閾値超過)検出時のアラート発火

点検頻度を人が覚えておく必要がなくなるため、点検品質の個人差が消え、統制された保全運用が実現します。

異常兆候を早期検知し、ダウンタイムを最小化できる

CBM(状態基準保全)を組み合わせることで、設備の状態変化をリアルタイム把握できます。従来の運用では、次の点検日まで気付けないという構造的リスクがありますが、自動化した点検では以下が可能になります。

  • センサデータの継続監視
  • 閾値超過や傾向変化を自動検知
  • 故障前の段階で整備判断

結果として、突発的な故障や生産ライン停止といったダウンタイムの発生率を下げます

巡回工数・突発対応・交換コストを削減し、総コストを最適化できる

点検業務の自動化は、単なる業務効率化ではなく、点検業務におけるコスト構造を変える施策です。

  • 不要な巡回点検の削減
  • 過剰整備の回避
  • 再点検や駆け付け対応の減少
  • 予兆検知による計画整備

これらが積み重なることで、保全コストの予測性が高まり、無駄のない投資判断が可能になる点が大きなメリットと言えます。

まとめ

点検業務の自動化は、紙やExcelでは避けられなかった入力作業・点検漏れ・判断の属人化といった課題を解消し、リアルタイム管理と高精度な予防保全を実現します。記録の自動化や異常兆候の早期検知により、ダウンタイムや巡回工数、突発対応コストが削減され、点検業務そのものの価値を高められる点が大きなメリットです。

導入の障壁

センサ活用型の状態監視ソリューション導入時につまづくポイントは?

近年、点検業務の高度化や設備保全のDXが求められる中で、設備の状態に応じて保全を判断するCBM(状態基準保全)の必要性が高まっています。

その一方で、必要性は理解できても、実際にセンサを活用した遠隔監視システムを導入する段階で足が止まる企業が多いのが現実です。導入を妨げる要因として以下が考えられます。

  • 大掛かりなシステム導入が必要で、初期投資が高額になるのでは?

    DCSやSCADAのような監視・制御システムをイメージすると、大規模な工事が必要、専門知識が必須、導入までのリードタイムが長い、といった先入観が生まれます。その結果、自社では導入できない、費用対効果が見えない、という判断になりがちです。

  • センサだけで、十分な異常兆候データを取得できるのか?

    「特定の数値データしか取れないのでは?」や「分析が難しいのでは?」といった懸念が出てきます。特にデータ活用のイメージが湧かず、導入しても意味があるのかという不安が消えない企業も多く存在するでしょう。

  • 結局、すべての点検業務は自動化できないのでは?

    実際の現場には、目視・聴視・触診が必要な点検項目も存在します。そのため、自動化できない点検が残るなら意味がないと考える企業もあるかもしれません。

MONiPLATが提供するCBMソリューション「ZeroVisit」では、DCSやSCADAのような制御系統システムは備えていない分、初期導入費用を抑えることができ、さらに電源プラグを接続だけですぐに利用開始できる状態で提供されるため、低コストかつ低ハードルな導入が可能です。

ZeroVisitが取得したセンサデータは、MONiPLATの点検表画面にある「センサ情報を取得」ボタンを押すだけで、自動転記することができます。これは他社の点検アプリや遠隔監視システムにはない独自構造であり、点検業務の運用手法を変える体験を提供します。

さらにMONiPLATは、点検表のデジタル化と設備の状態監視を一つの運用に統合できるプラットフォームです。点検自動化できない設備はMONiPLAT TBMで巡回点検し、状態監視が可能な設備はZeroVisitで遠隔監視という分担が成立します。

つまり、巡回点検工数をゼロにすることを目的とするのではなく、無駄な点検工数を最小化し、最小負荷で予防保全を実現するためには、MONiPLATは最適な選択肢の一つと言えるでしょう。

まとめ

センサを使った状態監視は有効でありながら、導入コストや運用負荷を懸念して足踏みする企業も少なくありません。MONiPLATのZeroVisitは導入の手間が少なく、取得データを点検表へ自動転記することもできるため、低コストで段階的な遠隔監視を実現できます。制御システム級の大掛かりな導入を行わずとも、無駄な巡回工数を減らし、予防保全へ踏み出せる点が大きな強みです。

設計・導入手順

点検業務の自動化に向けた設計・導入手順

点検業務の自動化は、思いつきでシステムを導入してもうまく運用することはできません。重要なのは、どの点検項目を自動化し、どの点検項目を直接人が行うのかを整理しながら、運用ルールを含めて設計することです。

この章では、点検業務における自動化手順の例について解説します。

STEP1:自動化対象の点検業務を選定する

まずは、自社の点検業務全体を棚卸し、自動化によって成果が出る領域を特定します

  • 人が判断せずとも数値で管理できる項目
  • 記録作業が形式的になっている項目
  • そもそも不要な巡回や転記が発生している項目

現行の帳票から点検頻度や工数、入力項目、発生しているミスや手戻りを整理し、上記の項目で分類すると、付加価値を生まない作業(NVA:Non-Value Added)が明確になっていきます。

MONiPLATを利用することで、従来の点検項目をそのまま代替する形でデジタル化できるため、初期段階での棚卸し負担を最小化できます。

STEP2:自動化対象に応じてセンサを配置する

次に、自動化できる点検項目を選定し、必要なセンサと配置場所を決定します。温度・湿度・照度・振動・圧力など、各監視対象設備の異常原因に直結する項目に適したセンサを選定し、センサを設置する環境(電源の有無や接続方法など)が整備されているか確認しましょう。

ZeroVisitの場合、初期セットアップ済みデバイスをマニュアル通り電源プラグに接続するだけでセンサデータを収集できるので、大規模な工事不要、即日稼働開始、既存設備を止めない、という導入負荷の低さが特徴です。

STEP3:モニタリングデータの取得状況を確認する

デバイス設置後は、センサが適切にデータを取得しているかを確認します。ZeroVisitでは、1分間隔で取得したデータをもとに、10分周期のトレンドグラフとしてダッシュボード上に可視化されます。そのため、以下の観点で取得状況を確認しましょう。

  • 設置ミスの有無
  • 通信不具合
  • 測定項目の妥当性

閾値設定が曖昧なまま運用開始してしまうと、運用がつまづいてしまうため、初期段階で稼働パターンを洗い出しておくことも重要です。

STEP4:運用ルールと評価指標(KPI)を設計する

最後にシステムを使える状態ではなく、運用成果を評価できる状態にしましょう。運用ルールとして設定すべき項目は以下が挙げられます。

  • アラート設計:閾値や多点相関による発報条件を策定
  • エスカレーションルール:誰が・いつ・どのレベルで対応するか策定
  • KPI指標:点検時間・点検漏れ率・復旧時間(MTTR)・突発停止損失などの指標を定期的に評価

実際に、稼働後も継続的に設備機器の状態や生産状況、人員配置を見直すことで、点検業務の自動化が現場文化として定着します

まとめ

点検業務の自動化は、単にシステムを導入すれば実現できるものではなく、対象選定からセンサ配置、データ確認、ルール設計まで段階的な設計が不可欠です。MONiPLATを活用すれば、既存帳票の置き換えやセンサ連携がスムーズに行え、初期負荷を最小限にした導入が可能です。自動化を運用できる仕組みに昇華させることで、継続的な保全効率の向上が期待できます。

点検自動化のまとめ

点検業務の自動化で、予防保全と現場効率を高めていこう

紙やExcelに依存した点検運用は、ヒューマンエラーや情報分断、属人化など、構造的な限界が見え始めています。一方で、TBM(時間基準保全)とCBM(状態基準保全)を取り入れた点検業務の自動化は、点検の質を保ちながら工数とコストを抑え、予防保全の精度を高める有効な手段です。デジタル帳票とセンサ情報を組み合わせることで、「記録のための点検」から「データを活かす点検」への転換が実現します。

点検自動化の実践ポイント

  • 点検業務の棚卸しとNVA可視化:数値で管理できる項目や、付加価値を生まない作業を洗い出す
  • 役割分担:センサで代替できる点検箇所から優先的に自動化を進める
  • デジタル帳票とワークフロー設計:アラートや承認フローを一体で整備し、点検後の事務作業を極小化する
  • KPI設定と運用改善サイクル:点検時間・漏れ率・ダウンタイムなどを指標化し、定期的に運用を見直す

点検業務の自動化は、一度仕組みを整えれば終わりではなく、データにもとづき運用を磨き込んでいく長期的な取り組みです。MONiPLATのように、デジタル帳票とセンサ監視をひとつのプラットフォームで運用できるサービスを活用すれば、スモールスタートで負担を抑えつつ、現場に根付く予防保全体制を築きやすくなります。自社の設備や体制に合ったやり方を検討し、無理なく始められる一歩から進めてみてください。

点検業務の自動化ならMONiPLAT

点検業務の自動化なら記録を点検表に自動転記できるMONiPLAT

点検業務を自動化するうえで、多くの企業が悩む要因として「どこまで投資すべきか」や「本当に使いこなせるのか」といった不安があります。特に、DCSやSCADAのような大規模システムは導入負担が大きく、必要性は理解しているが一歩踏み出せないという声もあるでしょう。

MONiPLATはこれらの課題に対して、ZeroVisitが解決策に繋がると考えています。設備に設置したセンサが1分ごとにデータを取得し、ボタン一つで点検表へ取得データを記録として自動転記することができます。点検業務をデジタル化するだけでなく、遠隔監視も最小限の投資で始められる選択肢と言えます。予防保全の最適化として、ぜひMONiPLATの導入を検討してみてください。

藤田 勇哉(ふじた ゆうや)

著者株式会社バルカー H&S事業本部
デジタルソリューション部オペレーションマネージャー
藤田 勇哉(ふじた ゆうや)

計測・制御ベンダーにて15年以上セールスエンジニアとして従事し、自動化機器やソリューションの提案を通じてさまざまな業種の製造業の現場の効率化を支援。同時期に石油・化学プラントの定修工事の元請業務を数年に渡り行う事で設備保全の最前線を経験。その後、製造業AIの市場開拓新設部署の立ち上げを行い、新規事業立ち上げの経験と合わせ、製造現場でのAIの利活用についての知見を深める。2023年からは株式会社バルカーに参画し、現在は設備管理プラットフォーム展開における営業面のマネジメントを行っている。