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分電盤点検表の作り方&効率的な運用方法を徹底解説【無料Excelテンプレート付き】

分電盤点検表の作り方&効率的な運用方法を徹底解説【無料Excelテンプレート付き】

工事現場や建設現場で使用される分電盤は、現場の電力供給を安全に管理する重要な装置です。しかし、その点検が十分に行われていないと、停電や感電事故、さらには火災といった重大なトラブルにつながる可能性があります。

分電盤の安全性を確保するには、定期的な点検とその記録が欠かせません。本記事では、分電盤点検の重要性や具体的な点検項目、点検表の作成方法を詳しく解説します。ぜひ本記事を参考にしていただき、現場の安全性向上にお役立てください。

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分電盤の点検

分電盤の点検とは?

分電盤点検の基本情報

分電盤は、現場の電力を安全に管理・供給するための重要な装置です。この章では、分電盤の役割や点検が必要な理由、点検頻度や担当者のポイントについて解説します。

分電盤の役割と点検の必要性

分電盤は電気を安全に分配・制御し、現場の安全を確保するための重要な装置です。その適切な運用のためには、定期的な点検が欠かせません。

分電盤は現場の電力供給を管理する要となる装置で、異常が発生すると停電や感電事故、さらに火災などの重大な事故を引き起こす可能性があります。そのため、定期的な点検や保守を実施し、潜在的なリスクを早期に発見することが必要です。

たとえば、遮断器の故障や接地線の断線といったトラブルは、定期的な点検を通じて早期に発見および対処が可能です。このような保守作業を怠ると、現場全体の作業が中断するなど、大きな影響を及ぼします。安全な現場運営を維持するためにも、分電盤の定期的な点検は重要です。

分電盤の点検は義務?その目的と重要性

分電盤の点検は、法律や基準に基づいて実施が義務付けられています。安全確保とリスク回避が最大の目的です。労働安全衛生規則では、電気設備を安全に運用するための点検が義務付けられています。特に以下のようなトラブルを未然に防ぐため、点検は欠かせません。

  • 感電や停電事故
  • 火災リスク
  • 電力供給の不安定化

たとえば、労働安全衛生規則第352条および第353条では、電気設備の点検と適切な管理が事業者の責務として明記されています。分電盤の点検は、法律を遵守するだけでなく、現場の安全性を確保するための必須作業です。以下に代表的な点検事項を示します。

  • 第352条:使用開始前に電気機器の損傷や異常を確認し、必要に応じて補修または交換を行う義務
  • 第353条:少なくとも月1回は設備の損傷や異常を点検し、適切な対応を行う義務

出典:[ e-Gov法令検索 / 労働安全衛生規則第352~353条]

分電盤の点検頻度

分電盤の点検頻度は、現場の環境や利用状況に応じて柔軟に設定する必要があります。現場の電力使用量が多い場合やトラブル発生時の影響が大きい場合では、より頻繁な点検が求められます。具体的には、以下の頻度が推奨されます。

  • 月1回以上:定期的な安全確認
  • 毎日(始業前):工事現場や建設現場など、電力負荷が大きい現場環境

たとえば、電気機器の過負荷や配線の劣化は日常的な点検で発見可能です。これにより、重大なトラブルを未然に防ぐことができます。点検頻度は現場ごとの状況に応じて設定し、安全性を確保しましょう。

分電盤点検の実施担当者

分電盤の点検は、適切な資格や役割を持つ担当者が実施する必要があります。分電盤点検には目視での確認だけでなく、専門知識を要する作業が含まれるため、適切な資格や経験を持つ担当者が必要です。

点検作業を適切に実施するために、役割や資格に応じた担当者を明確にしましょう。具体的には、以下のような役割分担が適しています。

  • 取扱責任者:注文者(建設会社)の社員が担当
  • 副取扱責任者:現場常駐の有資格者が望ましい
  • 専門作業者:漏電遮断器や配線の補修作業は電気工事士や特別教育修了者が担当

具体的な点検方法は後述していますので、現場の状況に合わせてご確認ください。

まとめ

分電盤は、電力の安全な供給と管理を担う重要な設備です。定期的な点検を行うことで、停電や感電事故、火災などのリスクを未然に防ぐことができます。点検は法律でも義務付けられており、頻度や担当者の選定も適切に行う必要があります。安全な現場運営のために、分電盤の適切な保守と管理を徹底しましょう。

点検方法と点検項目

分電盤の点検方法と点検項目

分電盤の定期点検は、現場の安全性を維持するための基本です。この章では、具体的な点検手順や項目、そして点検表の活用方法について解説します。定期点検を効率よく行い、リスクを最小限に抑えるためのポイントをご紹介します。

分電盤の具体的な点検手順と項目

分電盤の点検は、以下の主要な項目に分けて行います。それぞれのポイントについて詳しく解説します。

外観の点検

分電盤の外観を確認することで、物理的な損傷や不適切な使用状況を早期に発見できます。外観の損傷や不備は、分電盤の性能や安全性に直接影響を与えます。

外観の定期確認は、トラブルを未然に防ぐための基本です。具体的には、以下の箇所を点検しましょう。

  • キズ、凹み、サビの有無
  • 部品の取り付け状態やネジのゆるみ
  • スイッチカバーの適切な使用状況
  • 分電盤前の障害物や施錠の状態

配線の点検

配線の状態を点検することで、接続不良や断線によるトラブルを防げます。配線の劣化や不適切な使い方は、重大な事故につながる可能性があります。

配線の健全性を保つことで、電力供給の安定性が向上します。具体的には、以下の箇所を点検しましょう。

  • 配線の断線や裸線の有無
  • 接続部分のゆるみや接触不良の確認
  • アース線の使用状況やたこ足配線の有無

遮断器や保護装置の点検

感電防止や過電流保護装置が正常に動作するか確認します。これらの装置が正常に機能しない場合、感電や火災などのリスクが高まります

保護装置の点検を徹底し、異常があれば早急に対処しましょう。具体的には、以下の箇所を点検しましょう。

  • 漏電遮断器や過電流保護器の動作確認
  • トリップボタン、リセットボタンの操作性確認

接地の点検

接地の状態を確認することで、感電リスクを抑え、安全性を高めます。接地の断線や接触不良は、電気事故を引き起こす可能性があります。

接地の適切な管理が安全運用の基本です。具体的には、以下の箇所を点検しましょう。

  • 接地線の断線や浮き上がりの有無
  • 接地抵抗値の確認

周囲環境の点検

分電盤周辺の環境を確認し、事故を未然に防ぎます。火災や悪天候などの影響を受ける環境では、特に注意が必要です。

分電盤を適切な環境で管理し、長期的な安全性を確保しましょう。具体的には、以下の箇所を点検しましょう。

  • 分電盤周囲に可燃物や障害物がないか
  • 不要な工具が分電盤内に置かれていないか

点検記録の作成

点検内容を記録することで、保守の精度を高められます。点検記録は、設備の運用履歴やトラブルの原因特定に役立ちます。

点検記録は、長期的な保全活動に不可欠なツールです。具体的には、以下の項目を点検しましょう。

  • 点検者名や日時の記録
  • 修理や部品交換の履歴管理

分電盤点検表の作成と管理のポイント

分電盤点検表の作成方法

分電盤の点検結果を記録する際には、点検表を活用することが推奨されます。点検表を用いることで、以下のようなメリットがあります。

  • 点検内容の漏れや記録忘れを防止できる
  • 点検データを一元管理し、保守作業を効率化できる
  • 過去の履歴を簡単に確認し、設備の状態を把握できる

分電盤の点検表は、点検業務を効率化し、漏れなく記録を行うための重要なツールです。方法はいくつかありますが、現場の環境や担当者のスキルに合わせて適切なものを選びましょう

紙による点検表

もっとも手軽に始められる方法は紙を使った点検表です。用紙を印刷してバインダーに挟み、記入するだけなので、PCやデジタルデバイスがない現場でも簡単に利用できます

一方で、用紙が増えると管理が煩雑になったり、紛失のリスクがある点には注意が必要です。

Excelやスプレッドシートなど表計算ソフトの活用

ExcelやGoogleスプレッドシートを活用すれば、紙よりも管理がしやすくなり、さらに以下のようなメリットがあります。

  • カスタマイズのしやすさ:項目の追加や変更が簡単
  • データの整理:点検データをデジタルで一元管理できる
  • 印刷の柔軟性:必要な分だけ印刷し、紙と併用できる

本記事では、分電盤点検専用のExcelフォーマットを無料で提供しています。必要な項目をあらかじめ用意した便利なテンプレートを、以下からぜひダウンロードしてご活用ください。

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  1. このExcelのシート説明
    • 分電盤点検表_印刷用
      シート 分電盤点検表_印刷用

      書式に合わせて印刷することで、紙の分電盤点検表としてご使用いただけます。

設備点検システムやアプリの活用

より効率的に運用したい場合には、クラウド型の設備点検システムや専用アプリの導入がおすすめです。たとえば、スマートフォンやタブレットを活用して次のような利便性を得られます。

  • 点検項目の通知やリマインド機能
  • クラウド上でのデータ共有や検索機能
  • 記録漏れを防ぐ入力フォームの標準化

当社の設備保全システム「MONiPLAT」は、分電盤を含むさまざまな設備点検を一元管理できるクラウドシステムです。今なら20設備まで無料でご利用いただけますので、まずはお試しください。

まとめ

分電盤の点検は、外観、配線、遮断器、接地、周囲環境などの確認を行い、記録を適切に管理することが重要です。点検表を活用することで、作業の抜け漏れを防ぎ、効率的な運用が可能になります。紙、Excel、クラウドシステムなど、現場の状況に応じた最適な方法を選択し、安全性を確保しましょう。

分電盤点検表のまとめ

分電盤の点検を徹底し、安全な現場運営を実現しよう

分電盤は、工事現場や建設現場における電力供給の要となる設備です。適切な点検と管理を行わなければ、停電や感電事故、火災などのリスクが高まり、現場全体の安全性が損なわれる可能性があります。定期的な点検と正確な記録を徹底することで、設備の信頼性を向上させ、トラブルを未然に防ぐことができます。

分電盤点検のポイント

  • 点検項目の明確化:外観・配線・遮断器・接地・周囲環境の点検を確実に実施
  • 点検頻度の適正化:現場の環境に応じて、日次・月次など適切な頻度を設定
  • 記録の管理徹底:点検結果を確実に残し、トラブルの早期発見や対応を円滑化
  • 効率的な点検方法の選択:紙、Excel、クラウドシステムを活用し、最適な方法で管理

分電盤点検を適切に実施することで、設備の安定稼働を確保し、現場の安全性を高めることができます。本記事で紹介した点検方法や管理手法を活用し、より効果的な運用を目指しましょう。

分電盤の点検ならMONiPLAT

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MONiPLATを使えば、現場での点検結果をクラウド上に保存し、記録を安全かつ一元的に管理することが可能です。これにより、点検データの紛失や重複を防ぎ、効率的な業務遂行を実現します。

また、点検のタイミングが近づくと通知が届くため、作業の抜け漏れも心配ありません。さらに、分電盤以外の設備も含めた全体的な管理が可能なので、現場の状況を俯瞰的に把握しやすく、問題が発生した際の迅速な対応をサポートします。

今なら20設備まで無料でご利用いただけます。同じ無料であれば、Excelフォーマットよりも便利なMONiPLATを試してみてはいかがでしょうか?まずは、より効率的な点検業務を体感してみてください。

藤田 勇哉(ふじた ゆうや)
著者株式会社バルカー H&S事業本部
デジタルソリューション部オペレーションマネージャー
藤田 勇哉(ふじた ゆうや)

計測・制御ベンダーにて15年以上セールスエンジニアとして従事し、自動化機器やソリューションの提案を通じてさまざまな業種の製造業の現場の効率化を支援。同時期に石油・化学プラントの定修工事の元請業務を数年に渡り行う事で設備保全の最前線を経験。その後、製造業AIの市場開拓新設部署の立ち上げを行い、新規事業立ち上げの経験と合わせ、製造現場でのAIの利活用についての知見を深める。2023年からは株式会社バルカーに参画し、現在は設備管理プラットフォーム展開における営業面のマネジメントを行っている。

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